日本語ドメインにつぶやく。
はじめまして、トライコーン テクノロジーグループの kid です。
ゴールデンウィークも終わり、夏休みに向けた休暇計画に花咲かせ始めた今日この頃。
いかがお過ごしでしょうか。
今回は、以前から存在はしていたものの注目されることがなかった「日本語ドメイン」について考えてみました。
ここ最近、 Internet Explorer、FireFoxなどのメジャーなブラウザが日本語ドメインに対応したことから法人、個人問わず日本語のドメイン要望が増えてきているようです。いままで既に存在しているからという理由で、「jp」ドメイン以外のドメインで取得していた人もやっぱり「jp」ドメインがいいということがあるようですね。
そもそも日本語のドメインとは、国際化ドメイン名(IDN: Internationalized Domain Name)に準じ、汎用ドメイン名において漢字・平仮名・片仮名といった日本語を使うことができるドメインのことです。
(例、
日本語ドメイン名EXAMPLE.jp
トライコーン.jp
ブラウザソフトなどが日本語ドメインを解決する仕組みは、アドレスバーに入力された文字列を正規化し、正規化された文字列を「Punycode(ピュニコード)」と呼ばれる文字列の変換技術を使ってASCII文字列に変換することで実装されています。「トライコーン.jp」であれば、以下のように変換され、同じ扱いになるようです。
(例、
日本語ドメイン名 : トライコーン.jp
Punycode変換 : xn--eck4a9cyg2bvc.jp
なお、正規化が行われることによって、「。」と「.(ピリオド)」、半角カナは全角カナと同じ扱いになることから、「。」や、半角カナなどで入力すると以下のように変換されるようです。
(例、
トライコーン。jp
↓
トライコーン.jp
では、ドメインが日本語になった際の運用について考えてみるとどうでしょう。
メリットとしては、以下の点が挙げられるかと思います。
- (日本人が、)わかりやすい。
- 社名や名前など、同じ読み、スペルの文字が区別できる
- 日本ブランドの統一ができる
反面、デメリットは当然、、
- 日本人だけが利用しやすい
- 日本語非対応の端末からドメインへのアクセスが困難
このように国際的な事業、活躍を志す場合を除けば、一見魅力的な日本語ドメインですが、一般的に利用されるとなると問題は山積みのようです。
例えば、見間違えするような文字列が増える。
英数字でよくあるのが、「I(大文字のアイ)」と、「l(小文字のエル)」、「0(数字のゼロ)」と、「O(大文字のオー)」ですね。しかし、これが日本語ドメインとなれば、以下のような文字列が含まれてきます。
- カタカナだと、「ソ(そ)」と、「ン(ん)」
- 漢字だと、「玉(たま)」と、「王(おう)」
- カタカナと漢字だと、「カ(か)」、「力(ちから)」
ここに日本語以外の国際化ドメインとして中国語などが混ざってきたら、なお困惑ですね。
また、ドメインの管理も複雑になってきます。
商標や、商号の運用上、他人に取得済みの商標などでの日本語ドメインを利用されたくないかと思います。そのため、利用するしないに関わらず、関連する言葉のドメインを取得しておく必要があり、多くのドメイン管理が必要となってしまいます。
加えて、私の仕事上関係の強いメールにおいては、ほとんどのメールソフトの対応はされていないため、日本語ドメインの利用したメールアドレスがあっても利用することがほとんどできません。
このように技術的には可能になった日本語ドメインの利用も、一般的な利用、普及となると好まれない点が多いようです。しかし、日本語ということを考えると、携帯サイトを始め、文字入力という面で毛嫌いされていた長いドメイン英字入力も簡単になりますよね。日本語ドメインも目的に合わせた場所と使い方で利用すれば、きっと違った見方をされるようになると思います。
個人的には、英語にもっと日常的に触れ合えるためにもドメインなど身近なものが英数字であるのはいいことだと思っているのですがね。
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